少年の浪漫、恐竜のプラモデルをご存じですか?恐竜語りをしながらプラモデルをご紹介します!
幼少期に興味を持つものと言えば特撮ヒーローや乗り物が定番で、恐竜も小さい子供の興味をひきつけてやまない…ような肌感覚でしたが今の子供たちはどうなんでしょう?
私の頃はそれらと昆虫辺りが人気でした。
皆さんは自分が幼稚園保育園くらいのころ好きだったものは覚えていますか?
私は断然恐竜です!図書館で学習漫画を片手にアメリカ大陸でノミとハンマーを振るう未来を確信していました。現在はそういったことはなく模型店で働いていますし全然違う大学を出ました。
広げられなくなった雑な前振りは切り上げて、今回は根強く色々なメーカーから出ている恐竜のプラモデルを紹介しながら雑学を紹介していきます。
ティラノサウルス
スタートを飾るのは王道中の王道ティラノサウルスでしょう!
名称はトカゲの王という意味で巨大な顎も相まってとてもカッコいい恐竜ですがちょっと残念な気持ちになる説があります。
ティラノサウルスと言えば何に使うか分からない小さな前足があります。
これは獲物を押さえつけるのには向かず、体を起こすときの支えに使われていたと言われています。
また、様々な学者が足跡や骨格からどの程度の速さで走ることができたか算出しようとしています。
その中には時速18km程度と自転車と大差ないくらいの速度しか出せないという計算もあります。
この前足の不便さと足の遅さから狩りをせず死体を食べる腐肉食だったという説があります。
ただ研究グループによっては筋肉のつき方の仮説次第でもっと速く走れた可能性があり、その場合は見た目のイメージ通り狩りをしてたかもしれません。
近年では体表を羽毛で覆われていたという説が主流になっており、こちらのキットではそれを反映して羽毛の有り無しが選択できるようになっています。
そもそも恐竜の肌の色も状態も実際に見た人はいないので研究が進むにつれて従来のイメージがくつがえされることもありますし、本当は全く違う姿だった可能性もあります。
その点好みの色で自分の想像を表現できる無塗装キットは恐竜と相性がいいように思います。
知れば知るほどギャップを楽しめる定番ながら味のある恐竜です。
トリケラトプス
眉間と鼻の角、頭のフリルと見た目が華々しい周飾頭亜目の恐竜の代表的な恐竜です。
恐竜の分類はまず骨盤についている恥骨の向きで竜盤目と鳥盤目に分けられます。竜盤目からはさらにティラノサウルスを含む2足歩行の獣脚類、ブラキオサウルスのような大型で4足歩行をする竜脚形類に分かれます。
鳥盤目はステゴサウルスのような背中に装甲がある装盾類、イグアノドンなど鳥に近い形の脚の鳥脚類、頭に角や飾りのある周飾頭類にわかれます。
トリケラトプスはこの周飾頭類の中の角竜の仲間です。
他に有名な角竜にはカスモサウルスやスティラコサウルスが上げられます。
トリケラトプスのフリルや角はただの飾りではなく、これを使って身を守っていたとされていて、フリルに傷がついた後治癒した化石が残っていたり、捕食されずに生き残った個体が比較的多く見つかっています。
>> カスモサウルス情景セット
ステゴサウルス
ステゴサウルスは装盾類の中でも背中に剣のような板を持つ剣竜類に分類されます。
この板は強度が低く血管が通っていたことから武器ではなく体温調整に使われたと考えられています。
武器として使われた可能性が高いのは尻尾のトゲで、これによる傷跡が残っている化石もあります。
脳の大きさと知能に相関関係はないと言われていますが、ステゴサウルスの頭は大変小さく、脳みそは胡桃程度の大きさだと推定されています。
昔は第二の脳があり、事実上の脳のサイズはそう小さくないとも言われていましたが現在はその説は否定されています。
モササウルス
海の支配者と言う、B級サメ映画でサメが白亜紀にタイムスリップしたら間違いなくバトルするだろう称号を獲得している白亜紀の爬虫類です。
恐竜が生きた中生代には恐竜以外の爬虫類もいて、例えばプテラノドンは翼竜という恐竜とは異なる種の生き物です。
海にはクビナガリュウ類、角竜類、モササウルス類などが台頭していました。
肉食の爬虫類で細長い円錐形の歯を持ちますが種によっては先の丸い歯を持つものもあり、食べるものによって歯の形状が変わっています。
胃から魚類や他の爬虫類の化石の他、貝や恐竜なども見つかっていて、海の生態系の頂点にいたと考えられています。
日本でも化石が発見されています。
ジュラシックパークに出演したこともあり、なかなかの知名度があります。
スピノサウルス
獣脚類の恐竜の一種で最大の肉食恐竜と言う肩書もありますが、この恐竜の特徴は魚を主食にしていたという点です。
顎が細長い形状で、歯に筋があるなどワニに近い特徴を持っていることや、胃の中から魚のうろこが発見されていることから、魚を中心に小型の動物を食べていたと考えられています。
魚を中心に捕食していた恐竜は大変珍しいです。
また、背中には大きな帆がありました。用途は明確には分かっていませんが体温調整や求愛行動などに用いられていたという説が提唱されています。
どちらかと言えばマイナー寄りの面白恐竜だった印象ですが、ジュラシックパークⅢでティラノサウルスを打ち負かす様から人気を獲得しました。
ブラキオサウルス
全長は25m、体重は23トンと推定され、恐竜の中でもトップクラスのサイズの恐竜です。
あまりの巨体から体重を自力で支えることができずもっぱら水の中で生活したという説が昔ありましたが、そうなると今度は横隔膜を持っていないため水圧で呼吸ができないことがわかりました。
また、肺から伸びる気嚢が首の骨の隙間に入り込んで骨格の軽量化がされていたこともわかり、陸上で生活していたというのが通説になりました。
鼻の穴の位置や形状から、象のような長い鼻を持っていたという説が出たり、明確にわかっていないからこその面白みを感じさせる恐竜です。
ちなみに、ブラキオサウルスより大きい恐竜にはスーパーサウルス(全長34m、体重30トン)、アルゼンチノサウルス(全長36m、体重90トン)などがいます。
パラサウロロフス
ハドロサウルス類の恐竜です。このグループの恐竜にはクチバシがカモノハシのように平たい、歯が何列も生えていて歯が擦り減ると置き換わるデンタルバッテリーと言う構造を持つという共通点があります。
デンタルバッテリーを持つものは歯の本数が桁違いに多く、多ければ2000本の歯を持ったとも言われています。
パラサウロロフスはこの上でトサカが発達しているという特徴があります。
鼻の穴に繋がる後頭部の細長いトサカは中が空洞になっていて息を送り込むことで音を鳴らすことができ、群れでのコミュニケーションを取っていたと考えられています。
ヴェロキラプトル
>> ベロキラプトル6体セット
体長1.8mほどと小柄な肉食の恐竜です。後ろ脚の巨大な鉤爪が特徴です。
ヴェロキラプトルを語る際に外せないのが「闘争化石」(格闘化石)です。
ヴェロキラプトルとプロトケラトプスが取っ組み合った状態の化石で、ヴェロキラプトルプロトケラトプスの頭のフリルに左手をかけ、左足を腹に伸ばしています。
一方プロトケラトプスもヴェロキラプトルの右手に噛みついています。
格闘中に砂嵐に飲まれるなどの要因で保存されてできた化石と考えられていますが、格闘などせずたまたまこの形で化石になった可能性も否定できません。
似た化石に「決闘する恐竜」と呼ばれるティラノサウルスとトリケラトプスの化石もあります。
ティラノサウルス、トリケラトプス双方に傷があり、この2体も戦っている姿のまま化石になったと考えられています。
所有権の問題で長らく表舞台には出てきませんでしたが現在はノースカロライナ自然科学博物館に引き取られています。
このあたりはプラモデル化していないんですが大好きな面白恐竜なので紹介します。
イグアノドン
2番目に名前が付けられた恐竜で、メガロサウルス同様最初期に発見されました。
歯の化石が初めに見つかり、イグアナに似ていたことからイグアノドンと名付けられました。
当初はこんなに巨大な歯を持つ爬虫類は想定されず、象の仲間とも思われましたが発見者が爬虫類の歯であることを特定しました。
この発見をきっかけに、大昔に巨大な爬虫類が跋扈していたことが認識され恐竜の研究が行われるようになった、恐竜学の歴史上重要な恐竜です。
パキケファロサウルス
トリケラトプスと同じ周飾頭類の中の堅頭竜類という種類の恐竜です。
トリケラトプスなどと違って2足歩行で、あれほど大きなフリルや角はありませんが頭の骨が分厚くヘルメットのようになっているのが特徴です。
固い頭で頭突きをして肉食恐竜と戦ったり、同種同士でも争うと考えられていましたが首の骨が細く、現在は頭突きに耐えられる骨格ではないと考えられています。
ただ筋肉の保護次第では耐えられるのではないかという考えや、頭蓋骨に傷がある個体が見つかっていることから今後の研究から目が離せません。
トロオドン
脳のサイズからおそらく最も知能が高い恐竜と推測されています。
このまま進化していたらどんどん発達して恐竜人間が生まれていたかもしれないなんてB級ホラーな言葉が昔読んでいた子供向けの本に書いてあり、当時はものすごく怖かったのでお裾分けします。
プラノサウルス
恐竜を紹介していく中で色々なメーカーのプラモデルも掲載しましたが締めにバンダイのプラモサウルスについてご紹介します。
骨格を組み立てた後外皮パーツを取り付けることで恐竜について知りながらプラモデルを楽しむことができます。
現在、ティラノサウルス、トリケラトプス、ステゴサウルス、モササウルス、スピノサウルスがリリースされており、10月にはアンキロサウルスも発売されます。
接着剤や塗料も不要で組み立てるだけと初心者でも挑戦しやすい作りになっています。
恐竜好きな方に是非手に取っていただきたいブランドです。
童心に帰って遊んだり、お子さんのプレゼントにぜひご検討ください!